小6が小6を斬りつける時代。

あぁ、自分の頃はホント平和だったな。血は流れても死ぬ奴はいなかった。
もちろん、その日のうちに笑い話になった。平和だ。
喧嘩両成敗だった。先生が躾の為に止むを得ず殴っても誰も訴えなかった。


小学校高学年の頃、ムカツクとよく椅子を投げた。机を投げた。でも、人には投げなかった・・・はず。
いや、当たっても打撲だ。子供がそう遠くに投げれるはずがない。
中1の頃、注意されてムカついた女子にコンパスを投げた事があった。
当たらなくて良かった。ホントに。
別のある日、兄貴に向かって包丁を構えた。刺さなくて良かった。ホントに。
中2の頃、墨汁付きの筆を投げた。よかった、当たっても汚れるだけだ。
中3の頃、ついに怒る事を辞めた。以来一度もキレたことがない。
高1の頃、ムカツク事があっても表に出さず手も上げなかった。
高2の頃、馬鹿にされてもそれを笑いに変えた。それが楽しかった。互いにそれを行なった。楽しかった。
高3の頃、喧嘩になった友達の仲裁に入った。その夜、謝罪の電話が来た。昔の事を話したら、意外だといわれた。


その時、自分は丸くなった、人として変わったと思った。

今は小5が「遺書」を書き、飛び降りる時代。
小6が小6を斬りつけ、殺してしまう時代。
大人が子供を守らない時代、子供が子供を守らない時代。


自分が自分を守る方法を知らない、そんな時代。